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駆け出しカウンセラーの憂鬱 1 「新しい仕事」

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美紀と会うのは、半年ぶりだった。
 前回会った時は、臨床心理士の資格試験を目前に控えていて、少し疲れた顔をしていた。

 わたしは、もう彼女のカウンセラーではない。それはもう10年以上前のことだ。美紀が二十歳のときに紹介を通じてわたしのところにやってきて、3年間クライアントとして接した。
 3年接して、その後数年経ってから、彼女の方から連絡をしてきた。異性のしかも20代の元クライアントと気軽に会うことは、職業柄少しためらわれる行為だ。わたしは、クライアントだった彼女と性的関係を持ったことはもちろんなかった。それでも、ためらわれたのは、カウンセリングをやめてから、まったく連絡を取ってこなくなって突然会いたいと行ってきたからだ。正直、彼女の抱える問題についても、彼女自身に対しても、もうかかわりたくなかった。「また、何か問題が起きたのか」と内心ビクビクしていた。
 ただ、電話の彼女はとても快活な声で、明るく、深刻な相談事がある様子もなかった。常識的に挨拶をし、ていねいな口調で短時間でも会いたいと伝えてきた。
 わたしは、会うことを約束した。今から、4年前のことだ。それから、半年ごとぐらいの間隔で近況を話して数時間過ごすことが続いている。
 4年前、最初に再会したとき、彼女は開口一番「カウンセラーになりたい」とわたしに言った。そのために働きながら勉強をすると。少し思い詰めている様子だったので、わたしは、決して焦るなと言った。願いは必ずかなうと信じてがんばれと。
 そして、半年前にようやくあと少しのところまで来ていると彼女はわたしに話した。その後念願がかなったと知らせを受け、知人の須藤和人を紹介した。須藤は私と同年代だが、大学に籍を置きカウンセリング治療も行っていた。真面目な人物だし、なにより新人カウンセラーにいろいろな経験をさせるための仕事を提供してくれる。わたしはそこまでは手広くはなく、自分の食い扶持を維持するので精一杯だった。

 半年前、試験を目前に控え疲れ気味だった様子を見ただけで、その後は電話で数回話すだけだった。わたしは今の美紀の様子を確かめたかった。クライアントではなくとも、美紀はわたしにとって大切な妹のような存在になっていた。妹といってもかなり年齢は離れていたが。まるで身内のような感情を抱いたのは、彼女を3年間カウンセリングしていた最後のころだった。彼女は23歳、わたしは36歳だった。滅多なことではクライアントに抱かない親密な感情をコントロールできないと自覚し、わたしは担当を降りた。そしてその2年後に離婚をした。

 半年ぶりに会った美紀は約束の時間よりも早く待ち合わせ場所に来ていた。わたしの顔を見るなりぺこりと頭を下げた。
 食事をし、バーに移りカウンターにならんで座った。美紀は30歳になるというのに、横顔は幼さが残っているように見えた。あまり美紀の方を見ないようにして、話を聞いた。

「今度、須藤先生からお仕事紹介していただいて。ただ、仕事内容を史郎先生に聞いてもらって、ご意見うかがえればと」

 美紀は20歳のころから、言葉遣いはしっかりしていた方だが、あらためてかしこまった物言いに色気を感じた。一瞬間が空いてしまい、わたしはごめんごめんと謝った。

 しかし、仕事内容を聞いて、それまでの苦笑いがさっと消えてしまった。主に性的な虐待を受けた少女たちを一日、あるいは数日預かりカウンセリングをするというものだった。

 「いわゆるカウンセリングルームみたいなものではなくて、オートロック付きのマンションの一室を借りて、普通の家庭のような環境で話を聞いたりするらしいんです。そのインテリアをどうするかもわたしに任せてくれると、須藤先生はおっしゃってくれていて」
 駆け出しのカウンセラーにそんなことまで任せてくれるってどういうこと? と聞くと、美紀も不思議そうによくわかりませんと答える。わたしは、須藤の下で手伝っているとき、特別な傷を負ったような少女のカウンセリングに立ち会ったかと聞いた。

 「いえ。。カウンセリングなんてことはしてないです。ただ、お手伝いはして。。。その子もよくなついてくれて」

 それだ、と思った。どういう傷かは聞くつもりはなかったが、何かのできごとで重い心の傷を負った少女が美紀にとてもなつくのを見て、大役に抜擢したのだろう。

 「その仕事は、まさか君だけが切り盛りするんじゃないだろうね」
 「ええ。もちろんです。でも、中心になってやるつもりで取り組めと」

 わたしは、じっと美紀の目を見た。美紀もわたしの目を見て、わたしが何を考えているかを探ろうとしていた。あわてて、視線をそらした。

 「史郎先生が心配していること、何となくわかります。でも。。。」

 美紀がうつむいて言った。

 須藤には美紀を昔わたしがカウンセリングしていたことは伝えていた。しかし、美紀がどんな体験をしたのかは詳しくは話していない。須藤はわたしに聞いても真実は明かされないことを理解している。

 美紀は、「性的虐待被害者」だった。しかし、わたしでさえ、真相をすべて知っているわけではない。わたしは、ほんの5合目ほどで引き返した、そんな感じだった。彼女は被害者であると同時に、加害者といってもよいようなことをしていた。このことは、わたし以外は知らない。

(つづく)
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tag : 駆け出しカウンセラーの憂鬱

 
 

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